【HJMG!不毛さん58】
19.不毛大作戦!2~テロだか何だか、かなりヒドイかんじ3【はじめましての方はこちらへどうぞ】
【前回のお話はコチラ】
アタシとうらしまはオールド・ストーリーJ館玄関前で、こそこそと周囲の様子を窺っていた。
両手で種を持ってかじっているかぐやちゃんと、姉が合流した様を見守っていたのだ。
そこへ「勝訴」の旗しょって桃太郎が帰ってきた。
いつもの散歩──いや、世直しの旅(日帰り)から帰還したのだ。
とっさに身を隠そうとしたアタシを、目ざとく見つけて駆けてくる。
「コレ、リカ殿。コレ、余はこっちじゃ」
大声で叫んでくれる。
「しーっ! 桃太郎、大声出すな」
お姉の耳に届いてない筈がない。
しかしさすがの姉もかぐやちゃんとのデート(?)の予感にテンパっているらしい。こちらに気付く気配はなかった。
「桃太郎。アンタ、目立ちすぎるねん!」
馴れ馴れしく近付いて来た桃太郎をキッと睨む。
ドサマギで仲直りしたみたいな雰囲気になってるけど、アタシはアンタの存在に対して抱いていた違和感は拭えてへんからな!
そこへコソコソ。
ワンちゃんもやって来た。
桃太郎を見て「ハウァッ!」と息を呑む。
「ああああたしも見守り隊参加希望ですぅぅ」
桃太郎をガン見しながらも、右手が指しているのはお姉とかぐやちゃんの後姿だ。
異質な二人のデートの噂を聞きつけて、ワンちゃんは怖いもの見たさにやって来たらしい。
「デデデートってどこに行くんでしょう?」
ワンちゃんがアタシの手をギュッとつかんだ。
「痛てて!」
「ススススミマセン。ススススミマセン。肩が外れてスミマセン。こんなあたしでスミマセン」
「い、いや、ワンちゃん? そんなこと言ってへんし。こっちこそスミマセン。こんなアタシでスミマセン」
何でアタシが謝らんといかんねん。
ワンちゃんも他人の恋模様に少し興奮気味らしい。
「でもデートったってこの辺、駅前商店街しかないやん」
あとは荒地と建設予定地ばっかり。
ちょっと歩けば川が流れてるけど、ひどいドブ川って話やし。
そりゃ40分歩けば大ハナってショッピングモールがあるけど……お姉がそこに行くとは思えんし。
第一、かぐやちゃんは無心に種食べてるだけやもんなぁ。
不毛やわ。
隣りに誰がいるか、自分がどこ歩いてるかなんて意識、絶対ないと思う。
不審な二人連れやで、コレは。
通行人が避けて通っていくのが分かるもん。
嬉々として後を付けてるアタシら(桃太郎とうらしま、ワンちゃん、あとアタシ)も考えたら濃い顔ぶれやもん。
不毛ワールドの局地やで、コレ。
せめてカメさんいないのが救いか?
【つづく】
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良かったらマンガもみてね。こっちもアホだよ。
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