【HJMG!不毛さん60】
20.不毛すぎる、アタシの一日~迫る危機感1【はじめましての方はこちらへどうぞ】
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日曜の朝、ゆるやかなまどろみが突然破られる。
大声が響いてきた。何層にも重なって。
まずはうらしまの例のやつ。
「あふんっ!」
「あっふぅん!」
「あぁっふぅっっんん!」
「あっふぅん!」
「あぁっふぅっっんん!」
夢の中でまでお姉に虐められて喜んでいるのだろう。
小人の声も微かに聞こえる。
誰のか分からないイビキも。
その中で一際激しく叫んでいるのはかぐやちゃんの声だ。
たまに朝早いねん、あの人。
「シーアイエスモデル40ジーエルグレネード・ランチャー! シーアイエスモデル40エージーエルオートマチック・グレネード・ランチャーッ! シーアイエスモデルエスエルダブルエージーエルオートマチック・グレネード・ランチャーッッ!」
……うわぁ、今朝はグレネード・ランチャー編や。
大声で銃器の名前をひたすら、ただひたすら叫び続ける、
ものすごく近所迷惑な人。
一体何の訓練やねん。
それでもゴロゴロまどろみ続けるアタシ。
午前10時。ようやく目覚める。
ああ、今日もいい天気や。
30分ほど布団の中でゴロゴロ。
横目で見ると部屋の隅に座り込んで桃太郎、寝ぼけ眼でパンかじってる。
先程の騒音が嘘のようにアパート中がシン……と静まり返っていて、何だか心地いい。
ああ、日曜って素晴らしい!
尤も学校に行くワンちゃんと、サラリーマンのうらしまを除けば、このアパートは平日でも極端に朝が遅い。
ゲーマーの性(サガ)でお姉は夜が遅く、従って朝はグーグー寝てる。
かぐやちゃんも夜中に違法放置家電ゴミを漁るので、眠りにつくのは夜明けらしい。
オキナもダラダラ暮らしている。この人、何で生計立ててるんやろ。
カメさん来ない日は完全に寝静まっている午前のオールド・ストーリーJ館。
「アカンやん、アタシらっ!」
こうやってみると、散々バカにし、蔑んできたうらしまを、逆に尊敬する思いや。
「リカ殿、ご飯を食べたら見回り隊の時間ぞ?」
「あぁ、もうそんな時間?」
そこでアタシはようやくムクリと起き上がる。
12時前。テレビを見ながら朝・昼食を食べ、ついついテレビを見すぎてしまう。
2時前。ようやくアタシらは重い腰をあげた。
アパート一周、街一周。
桃太郎の世直しの旅(日帰り)や。
近所の見回りといって良い。
的確な表現をすればただの散歩だ。
まぁ運動にもなるし、買い物がてらアタシも付いていくのが日課なのだ。
4時くらいまで商店街をウロウロする。
変な格好で、時に変な歌を口ずさみながら。
完全に不審者や。しかも名物や。
【つづく】
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