4.不毛なまでの怯え方~初めて会った義兄はヘンタイでした4
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喋り魔のうらしまは自分の恥ずかしい話を勝手にベラベラ語りだした。正直、どうリアクションをとっていいか分からない。
どうでもいいけどお姉、夫を「うらしま」って呼ぶけど、自分だって苗字はうらしまなんじゃ…。「うらしま乙姫」か──ゴロ悪い上にアホみたいな名前や。それを言ったら「多部乙姫」も大概やけどな。
部屋中漁りながら廊下で音がするたびにビクビクするが、アタシとコイツのビクつきは根本的に違う筈だ。怒られたい感、滲みまくりのうらしま──根っからのMや、この人。
「……アタシ、なんでこんな酷いストレス感じながらこんなことしてるんやろ」
お姉に見付かったら、おしおきは今度は洗濯ばさみじゃすまない。恐ろしいことこの上ない。
このゴミの中から果たして何が出てくるのか、純粋に興味はあるけど。
このゴミの中から果たして何が出てくるのか、純粋に興味はあるけど。
「なぁ、リカちゃん。僕……僕……」
うらしまが変なこと言い出した。
「うちのカミさんがすごいサディストで……ってブログでも書こうかと思ってて。大ヒットしたら書籍化されて、僕は一気に印税生活に突入だぞっ!」
「ハァ。書いたらいいやん」
「じゃあリカちゃん、パソコン買ってって乙姫サマにお願いしてくれよ」
「何で義妹にアブナイ橋渡らせようとすんの? 自分で頼みぃや!」
「義妹は感電少女だって、リカちゃんのことも書いてあげるよ」
「……遠慮しとくわ」
コイツ、血ヘド吐くまで張り倒したい。
「別にえっちなサイトを見ようと思ってるわけじゃないぞッ☆」
「どうでもええわ! 黙れや!」
うらしまは「あっ!」と叫んでアタシを見た。
「その怒鳴り方ぁ。乙姫サマと同じ血が流れてるぅ」
この男、すごいムカツク。
「お姉は根っからのいじめっ子やからいいかもしれんけどな、アタシは普通やねん。アンタのそのドMっぷりはウザイだけや!」
怒鳴るとうらしま、内股になって「あふんっ」と悲鳴をあげた。
「こんなアホには付き合ってられへん。桃太郎、帰るで!」
桃太郎はおとなしく立ち上がった。探せど探せどゴミが出てくるこの部屋に、もう飽きたのかもしれない。
「こんなに部屋荒らしたら、絶対お姉に怒られるわ。1人で怒られろ、ボケ!」
捨て台詞と共にドアを開けて、アタシは内臓が凍りつくのを自覚した。
目の前には湯上りでホッペ真っ赤なお姉。ご機嫌な様子でニッコリしている。但し、目は笑ってない。
「お、お帰りなさい。お姉」
「ただいま。このゴミ娘」
ひぇぇ、お姉にだけは言われたくない。
アタシは桃太郎の手をつかんでお姉の脇をすり抜けた。その場から一気に逃げ出す。背後ではポキポキ指を鳴らす音が。
「ゴメンナサイッ!」
「カンベンしてくださいッ」
「あふんっ! あっふぅん」
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