7.不毛なサガ~思わず色んなことに対してツッこんでしまう関西人の血2
【はじめましての方はこちらへどうぞ】
【前回のお話はコチラ】
──ア、アンタら……。
アタシは絶句した。これは一種のワールドや。
完成されたワールドなんや。
本人たちは楽しいみたい。
それなら勝手にやってて。いちいちアタシを巻き込まんといて。
欠伸をしながら2人に背を向けた時だ。
廊下をパタパタ駆けてくる足音に気付いた。
「どどどどうしたんですかぁ」
ワンテンポ遅れてメガネの女の子が飛び込んできたのだ。
アタシの部屋の隣りの住人だ。たしか専門学校に通っているとか。
「いいい今しがた、すすすすごい悲鳴と、おおおおかしな笑い声がぁ」
異様に高い音で、しかも息を吸い込みながら喋るから、ヘンな声だ。
「何でもないわよ」
すました声に振り返ると、お姉の髪は元に戻っている。
にこやかな笑顔に、さっきまでのケタケタ笑いは微塵も残っていない。
これがこの人の恐ろしいところや。
「はぁ……」
女の子がメガネを押し上げる。
部屋にいる大勢の人間を不審そうに見回した。
「紹介するわ。この子、感電少女。この前引っ越してきたわたしの妹よ。リカ、こちらは2ー2号室にお住まいの……」
「さささ猿鳥(サルトリ)ワンです」
オイオイ! ものスゴイ名前の人、来たで!?
「ワ、ワンちゃん? ワンちゃんっていうの? アタシは多部リカ。謝りに行こうと思っててん。昨日はゴメンな、突然侵入して。アタシ、ちょっとどうかしててん」
「リカちゃんは情緒不安定だったんだな」
うらしまが、したり顔でアタシの肩を叩く。
「1人で押入れに向かってブツブツ喋ってるんだ。福の神様~とか言って。アハハハッ」
「ウフフフッ」
お姉と2人して笑っている。アタシは桃太郎と顔を見合わせた。
とりあえず、うらしまがムカツクということは置いといて。
一寸法師の存在が他にバレていないとは幸いだ。
「べべべ別にあたし、気にしてませんから」
言いながらワンちゃん、桃太郎を凝視している。
身体が小刻みに揺れているのは、恐怖ゆえの震えか?
アタシが気にする筋合いは全くないが、何だがすごく恥ずかしくなった。
話を逸らせようと大きな声を出す。
「ア、アタシ、大阪から来てん。だから関西弁なんやけど、分かる? 気にせんといてな」
「いいいいえぇ」
ワンちゃん、プルプル首を振る。いいえ、と言っているらしい。
気が弱いのか、アタシらに怯えているのか。
「淀川の河川敷で暮らしてたのよね、リカ」
お姉が変なフォロー(?)を入れてきた。
ワンちゃんの震えが小さくなる。
まぁ、アタシが住んでたのは河川敷じゃなくて淀川沿いのアパートやけど。
「高校受験に失敗して、逃げるようにこっちへ来たのよね。リカ」
お姉、余計な情報を暴露する。
ワンちゃんは困ったようにオドオドとアタシを見た。
【つづく】
「HJMG!不毛さん」とは…こんなお話はコチラ
HJMG!不毛さん サイトマップはコチラ
HJMG!不毛さん第1話はコチラ
良かったらマンガもみてね。こっちもアホだよ。
↓ ↓ ↓
【はじめましての方はこちらへどうぞ】
完成されたワールドなんや。
本人たちは楽しいみたい。
それなら勝手にやってて。いちいちアタシを巻き込まんといて。
欠伸をしながら2人に背を向けた時だ。
廊下をパタパタ駆けてくる足音に気付いた。
ワンテンポ遅れてメガネの女の子が飛び込んできたのだ。
アタシの部屋の隣りの住人だ。たしか専門学校に通っているとか。
「いいい今しがた、すすすすごい悲鳴と、おおおおかしな笑い声がぁ」
にこやかな笑顔に、さっきまでのケタケタ笑いは微塵も残っていない。
これがこの人の恐ろしいところや。
部屋にいる大勢の人間を不審そうに見回した。
「ワ、ワンちゃん? ワンちゃんっていうの? アタシは多部リカ。謝りに行こうと思っててん。昨日はゴメンな、突然侵入して。アタシ、ちょっとどうかしててん」
「リカちゃんは情緒不安定だったんだな」
うらしまが、したり顔でアタシの肩を叩く。
「1人で押入れに向かってブツブツ喋ってるんだ。福の神様~とか言って。アハハハッ」
「ウフフフッ」
「ウフフフッ」
お姉と2人して笑っている。アタシは桃太郎と顔を見合わせた。
とりあえず、うらしまがムカツクということは置いといて。
一寸法師の存在が他にバレていないとは幸いだ。
一寸法師の存在が他にバレていないとは幸いだ。
「べべべ別にあたし、気にしてませんから」
言いながらワンちゃん、桃太郎を凝視している。
身体が小刻みに揺れているのは、恐怖ゆえの震えか?
アタシが気にする筋合いは全くないが、何だがすごく恥ずかしくなった。
話を逸らせようと大きな声を出す。
身体が小刻みに揺れているのは、恐怖ゆえの震えか?
アタシが気にする筋合いは全くないが、何だがすごく恥ずかしくなった。
話を逸らせようと大きな声を出す。
「ア、アタシ、大阪から来てん。だから関西弁なんやけど、分かる? 気にせんといてな」
「いいいいえぇ」
ワンちゃん、プルプル首を振る。いいえ、と言っているらしい。
気が弱いのか、アタシらに怯えているのか。
気が弱いのか、アタシらに怯えているのか。
「淀川の河川敷で暮らしてたのよね、リカ」
お姉が変なフォロー(?)を入れてきた。
ワンちゃんの震えが小さくなる。
まぁ、アタシが住んでたのは河川敷じゃなくて淀川沿いのアパートやけど。
ワンちゃんの震えが小さくなる。
まぁ、アタシが住んでたのは河川敷じゃなくて淀川沿いのアパートやけど。
「高校受験に失敗して、逃げるようにこっちへ来たのよね。リカ」
お姉、余計な情報を暴露する。
ワンちゃんは困ったようにオドオドとアタシを見た。
ワンちゃんは困ったようにオドオドとアタシを見た。
「HJMG!不毛さん」とは…こんなお話はコチラ
HJMG!不毛さん サイトマップはコチラ
HJMG!不毛さん第1話はコチラ
良かったらマンガもみてね。こっちもアホだよ。
HJMG!不毛さん サイトマップはコチラ
HJMG!不毛さん第1話はコチラ
良かったらマンガもみてね。こっちもアホだよ。
↓ ↓ ↓
【はじめましての方はこちらへどうぞ】