10.不毛大作戦!~恋だか変だか、何かそんな感じ1
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暗くなってきたので電気をつけた。
しかし電球、ウィーン……と低い唸りをあげてパカパカ点滅を始める。
嫌や、電球買いたくない。
引っ越してきたばかりやし、お金もないもん。
しかし電球、ウィーン……と低い唸りをあげてパカパカ点滅を始める。
嫌や、電球買いたくない。
引っ越してきたばかりやし、お金もないもん。
「よし! 2,000アンペア喰らったアタシのパワーで、この電球を復活させる!」
人差し指を突きつける。
「パワー充填~ッ!」
……アカン。やっぱり指1本じゃダメなんや。そう思って、今度は手の平をかざ
した。
「フルパワー! 充填ッッ!」
そこへガチャとドアが開いた。
「何をしておる」
桃太郎だ。
「ギャッ?」
不意をつかれ、アタシはその場に尻もちをついた。
「べべべ別に放電能力を身に付けた超能力少女を強調したわけちゃう。アアアアタシはただ人間の力の限界ってやつを……」
不意をつかれ、アタシはその場に尻もちをついた。
「べべべ別に放電能力を身に付けた超能力少女を強調したわけちゃう。アアアアタシはただ人間の力の限界ってやつを……」
「何をうろたえておる。まるでワン殿のような口調よの」
桃太郎のこの上から目線、普段なら腹を立てるところだが、この時のアタシは違っていた。
「そや、ワンちゃんや!」
自分に任命された重大な仕事を思い出したのだ。
2人のデートをお膳立てする──カメさんに託されたアタシの任務や。
2人のデートをお膳立てする──カメさんに託されたアタシの任務や。
「も、桃太郎はどんなタイプの女の子が好きなん?」
……アカン。我ながらワンパターンの探り方や。
「タイプ? オンナノコ?」
桃太郎、ポカーンと口を開けている。
何かフォローしようかと口を開きかけた時だ。突然叫んだ。
何かフォローしようかと口を開きかけた時だ。突然叫んだ。
「おなごになど関わっていては、世直しの旅ができぬではないか!」
「ヒッ? い、いや、世直しの旅も大事(?)やけど……アタシが言いたいんは……」
「リカ殿、早う! 早う電気を買ってまいれ!」
桃太郎、熱いお茶をズズズと飲み干した。
そして唐突に笑顔を見せると溜め息をつく。
そして唐突に笑顔を見せると溜め息をつく。
「あぁぁーぁああぁ……、日本茶は良い。ほっとするのぅ」
メガネが曇っている。
「人の部屋でなごむな! 電気やろ、買ってくるわ! あ、いや、違う……」
アカン。アタシ、ここで財布持ってスゴスゴ出て行ったら負けやで。アイツは居候なんや(いや、それすりゃ認めちゃいないが)。言うこと聞いてたまるか!
「アンタも桃太郎なんやったら、月明かりで耐えて」
アタシもズズとお茶を飲んだ。ハァ……確かにホッとする。
夜が更けるとまだ冷えるし、熱いお茶が和むわぁ。
夜が更けるとまだ冷えるし、熱いお茶が和むわぁ。
「年寄りくさいおなごよのぅ」
桃太郎がアタシの顔を覗き込んだ。
「ほれ、おかわりはどうじゃ」
桃太郎がアタシの顔を覗き込んだ。
「ほれ、おかわりはどうじゃ」
「ああ、ありがとうな」
アタシたちは何だかホッコリしながら向かい合わせでお茶を啜る。
「月の明かりも良いものじゃ」
「現代社会のオアシスかもしれんな」
昔話のおじいさんとおばあさんのようだ。
我ながらすごい不本意だ。
我ながらすごい不本意だ。
「どれ、歌でもうたうか」
「オーッ、桃太郎! いけやー!」
アタシがはやし立てると桃太郎は興奮したふうにテーブルに片足を乗せた。
握り拳をマイク代わりに声を張り上げる。
握り拳をマイク代わりに声を張り上げる。
「もーっもたろさん、ももたろさんっ♪ おこしにつっけた……」
……ああ、そうきたか。案の定や。
アタシは一気に冷めてしまった。
アタシは一気に冷めてしまった。
【つづく】
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