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【前回のお話はコチラ】
「か、怪談? 怪談か? やめてぇな。アタシ、そのテの話アカンねんて。怖いねん」
ワンちゃんはウフフと笑った。
アタシの反応が素直すぎて面白かったらしい。
「そそそうだ、昨日はどうもアリガトウゴザイマシタ」
「昨日? あ、ああ……」
桃太郎とのデート(?)を思い出したのだろう。
ワンちゃん、露骨に頬を染めている。
アタシはカメさん騒動を思い出して、ガックリ……疲れる思いだ。
しかも桃太郎的には昨日のアレは商店街一周世直しの旅(日帰り)で、ワンちゃんはお供のつもりだったようだし。
しかもアタシが後を付けていたことは桃太郎にはしっかりバレていた。
家に帰ると「余にはすべてお見通しじゃ」と意味深に笑われたものだ。
アホの桃太郎に踊らされたようで、夕べは情けない気分のまま眠りに落ちたのだった。
それでも、ワンちゃんが喜んでくれたならアタシは素直に嬉しいけどな。
そもそもワンちゃんは、桃太郎なんかのどこがいいんやろ。
そのへんが強烈に疑問やけどな。
だって…アレやで? 「自称・桃太郎」無職やで?
ワンちゃんに問いただすことはしたくないし。
アタシが考えてもたかがしれてる。そのへんの乙女の機微ってやつはカメさんに聞くのが手っ取り早いやろ。
てっとり早い言ってる時点で、乙女の1人としてアタシはアカンのかな?
コインランドリーは商店街の入口近くにある。
天井の低い狭い店内に古びたランドリーが3つ並んでいるのだが、あまり利用客はなく、いつ行っても誰もいない。
夕方のこの時間なのに、電気すら点いていない。
それなのに、中から奇妙な音がする……。
ガッコン、ガッコン。
嫌な話を聞いた後なので、アタシはここでもうビクついていた。
「な、何や。何の音や? 突然サスペンス展開か?」
「ままままさか、ししし死体が?」
アタシたちはカタカタ震え、手を取り合ってビクビクしながら中へと入っていった。
「ああああれですね」
一番左の機械が使用中だった。
ガコン、ガコン──凄い音をさせて中で何かが回転している。
「いやいやいや、ままままさかな」
「いいいいええ、ただただの都市伝説のはずぅ」
「な、中、見てみよか」
「いいいいやぁ。ほっときましょうよぅ」
「だ、大丈夫や。アタシに任せとき」
死体なんて入ってるわけない。
映画じゃあるまいし、そんな現場に現実に遭遇してたまるか!
とにかく確認しなければ落ち着いて自分の洗濯ができない。
「リカさん、やめてくださいぃぃ」
ワンちゃんの悲鳴を背に、アタシはその中を覗き込んだ──その瞬間。
【つづく】
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良かったらマンガもみてね。こっちもアホだよ。
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ワンちゃん、露骨に頬を染めている。
アタシはカメさん騒動を思い出して、ガックリ……疲れる思いだ。
しかもアタシが後を付けていたことは桃太郎にはしっかりバレていた。
家に帰ると「余にはすべてお見通しじゃ」と意味深に笑われたものだ。
アホの桃太郎に踊らされたようで、夕べは情けない気分のまま眠りに落ちたのだった。
そのへんが強烈に疑問やけどな。
だって…アレやで? 「自称・桃太郎」無職やで?
ワンちゃんに問いただすことはしたくないし。
アタシが考えてもたかがしれてる。そのへんの乙女の機微ってやつはカメさんに聞くのが手っ取り早いやろ。
てっとり早い言ってる時点で、乙女の1人としてアタシはアカンのかな?
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夕方のこの時間なのに、電気すら点いていない。
それなのに、中から奇妙な音がする……。
アタシたちはカタカタ震え、手を取り合ってビクビクしながら中へと入っていった。
「ああああれですね」
ガコン、ガコン──凄い音をさせて中で何かが回転している。
「な、中、見てみよか」
「いいいいやぁ。ほっときましょうよぅ」
「だ、大丈夫や。アタシに任せとき」
映画じゃあるまいし、そんな現場に現実に遭遇してたまるか!
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