32.鉄ゲタ事件~不毛ヘンタイ兄妹参上!4
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それが連日続いた。
「リカ? あなた、見る度にグロッキーになっていくわね」
お姉に言われたのは3日目のことだったか。
「まぁな…。精神的なもんや。あと、足が重くてな。ハハ……」
アタシは中途半端な笑みを返す。この鉄ゲタ、24時間存在を主張する。想像を絶する苦痛や。寝てる時ですら足が重くて寝返りうたれへん。眠れん……。
更に起きてる時はアパートの玄関先でうらしまと腹筋。
「恥ずかしいから別のところでやろうな」そう言っても義兄は聞く耳を持たない。
「アフンッ・いち! アフンッ・に!」
ようやくアタシは悟った。この人は恥ずかしさを求めて、わざわざここで裸になって腹筋してるんだと。
「まぁ、駅から徒歩25分の田舎で、あまり人通りもないし。いいわ、もうどうでもいいわ」
諦めてアタシも腹筋に精をだす。すると突然、周囲にざわめきが起こった。
「あっ! ホントにいた! 鉄ゲタ兄妹~♪」
アタシらを指差して、子供が携帯を向ける。パシャパシャ写真を撮られた。
「な、何や?」
ランドセル背負ってる。小学生や。あっ、アタシのパンツ盗んで1─3に並べた奴らや。
「鉄ゲタ履いたオカシナ兄妹がホントにいた~♪」
「エロい声あげて筋トレしてる~♪ららら~♪」
「バーカ、バカバカバ~カ♪」
ヘンな歌まで作られてるし!
「ち、違う! 誤解や! アタシはコイツとは兄妹違(ちゃ)う! 兄妹いうても義理の間柄やし。同じ血は一滴も流れてへんわ!」
アタシは立ち上がり、子供たちに向かって大声を張り上げた。「きゃー!」と叫んで奴らは逃げて行く。
「リカちゃん、抗議するポイントはそこなんだ……」
うらしまが背後で悲しそうにうなだれる。
うらしまが背後で悲しそうにうなだれる。
「ち、違ッ! いや、あの……」
正直言うと、その通りです。義兄よ、ごめんなさい…。
※ ※ ※ ※ ※
アタシの細胞(足裏)が死んだのは、それから1週間が経ってからのことだった。
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