32.鉄ゲタ事件~不毛ヘンタイ兄妹参上!3
お姉がそう叫んだ。そんなこと今更言うなよ、しかもうらしまに向かって。
「そのプニプニしたお腹を何とかしなさい」
お姉から突然の断食命令。例によって「あふんっ」と身をくねらせるうらしま。
「試合前のボクサーみたいに、果敢に減量に挑戦する!」
奴は宣言した。そしてそのままアタシの側を離れようとしない。
「何やねん。アンタのダイエット作戦に、否応なく巻き込まれるのはゴメンや。アタシは自分のことでいっぱいいっぱいなんや」
「そう言わずにがんばろう」ポン、とうらしまがアタシの背を叩く。
「イヤや。頑張れへんわ。ちょっ……何、その目?」
うらしま、じっとアタシの足元を見てる。無理矢理鉄ゲタ履かされたアタシ──何ていうか、そういうプレイ的な感じが羨ましくてしょうがないらしい。かぐやちゃんにヒドイ仕打ちを受けて、アタシはすぐにお姉の元へ泣きついた。ズシンズシンと足音がすごい。階段を降りる時の激痛も想像を絶するものがある。鉄ゲタの重みで皮膚だけ千切れそうや。
「有無を言わせずってところがイイな。無理矢理履かされちゃったっていうのが。つまりそういうプレイ的な」
妙なこと言ってるM野郎。だからプレイって何やねん!
「……かぐやちゃんに頼めばいくらでも履かせて(貼り付けて)くれるで」
「何だ、その言い方。リカちゃんは、この微妙な受身の心理ってのが分かってない! 無理矢理履かされるっていうのがイイんだ。僕の身体は嫌がってるけど、そこまでされたら仕方ない……みたいな」
「何言ってるんか、さっぱり分からへんわ。そんな微妙な受身の心理なんて」
それも相手がお姉でないと駄目らしい。つくづく不憫な男やで、このM男。
一緒にダイエットにはげもうよ、と奴にアパートの玄関脇に連れてこられた。
「イヤや。ダイエットなら1人で挑戦して。アタシも一人でやるから。これ以上ムカツク状況作りたくないねん」
「あふんっ・いち! あふんっ・に!」
嫌がるアタシの目の前でM男は服を脱いだ。マイペースに腹筋運動を始める。動くたびに気持ち悪いあえぎ声が漏れるのだ。普通「フンッ! フンッ!」とか言ってやるもん違(ちゃ)うの? 何でこの人、常に「あふんっ」なの?
【つづく】
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