35.不毛遠征計画~それは波乱の予感2

35.不毛遠征計画~それは波乱の予感2
【はじめましての方はこちらへどうぞ】

「ぜぜ全員でどこかに遊びに出かけませんか」

「うわ、ワンちゃん!」

 階段の影から突然の声が。いつからいたのか。ワンちゃん、楽しそうに近寄ってきた。

「ああ、それイイかも~。ボクとかぐやちゃんも参加する。もっともぉ、サイクリングだったら御免こうむるけどね~」

 やはりどこから出てきたのか、オキナも現れる。

「サイクリング……」

 ふと、忌まわしい記憶が蘇りアタシは右足に視線を落とした。時々まだ痛むんや。アタシの落ち込みを敏感に察したお姉とワンちゃん、オキナを睨む。

「何、その目~?」しかしオキナに応えた様子はない。「ヤだな~。ボクはかなり優しめのオトコだよ~? ママにもいつもボクちゃんは優しい子ね~って褒められてたんだから」

「!?」

「ママ!?」

「ボクちゃん!?」

 アタシとお姉、そしてワンちゃん、一斉に引いた。

 変態でノーパンで×イチで無職(?)な上、マザコンが判明した! どこまで底の見えん男や。


 でも、みんなでお出かけってのはいい。アタシは早速みんなにアンケートをとった。

「今一番行きたい所はどこですか?」

 その問いに、アホアパートのアホ連中はこう答えた。


 桃太郎──鬼が島。

 一寸法師──ゴのつくモノに奪われた昔の住処に帰りたい。

 お姉──わざわざ出かけるより、家でゲームをしていたいわ。

 うらしま──禁断の扉を開けたその先。

 カメさん──泣ける恋愛映画に絶対に行きたいです。

 オキナ──だからァ、かぐやちゃんと一緒ならどこへでも?

 かぐやちゃん──真冬のアルプス越えに果敢に挑戦。1万の歩兵を引き連れての強行軍になるだろう。足場を確保しつつ、迅速に進め。倒れた兵は……ワシが背負って連れて行こう。

 花阪G──髪が生えてくるまで極力どこにも出かけたくない。

 根田さん──不明。(大抵寝てるから聞けなかった。起きてる時は何か怖いし)

「みんなロクなこと言わん!」

 憤慨するアタシ。かぐやちゃんのアレ、何やねん! 他の奴もどうかしてる。何が鬼が島や! 禁断の何やて!

 そこでアタシも考えてみた。今一番行きたい所は? なんて突然聞かれたら何て答えるかな。

「う、宇宙? 少なくともヤツらの声を聞ける設備のある所。むぅ、それならやっぱりアメリカか? 何せ奴等の政府は宇宙人と密約を交わしているということやし」

 ……ああ、アタシも一緒や。

「ワンちゃんは?」

「みみ皆さんと海なんてどうでしょう。みみみ水着でキラキラァ。ちちちちくびとかチラチラァ」

 言い方ヤらしいで、ワンちゃん。

つづく


「HJMG!不毛さん」とは…こんなお話はコチラ

HJMG!不毛さん サイトマップはコチラ


HJMG!不毛さん第1話はコチラ 


良かったらマンガもみてね
    ↓ ↓ ↓
【はじめましての方はこちらへどうぞ】