【HJMG!不毛さん73】
25.パンツを盗まれた!~桃太郎が指揮る不毛捜査3 【はじめましての方はこちらへどうぞ】
「リリリカさん、がんばって」
「はっ!」ワンちゃんの絶妙な応援に、アタシは我に返った。そうや、桃太郎の言うことをいちいち真に受けてたらアカン。「桃太郎、アンタは黙っといて。捜査なんて必要ない。犯人はもう分かってんねん。うらしま、アンタやろ? アタシのパンツ返して!」
パンツドロボウなんて、変態のコイツしかいない。しかしうらしまはグッと眉間にしわを寄せ、心外だというようにアタシを見る。
こ、これは初めて見る表情や。疑われたことに対して、ちょっと怒ってる? アタシのパンツに興味はないって? アタシのパンツを盗ることは絶対にないって? そ、それでいいねん。間違ってない。けど、何かちょっと……アタシなりにショックなのは何でや?
「ま、まぁいいわ。容疑者は他にもいるからな」
うらしまに向けていた疑いの目を、今度はオキナに。
「な、何さ。ボクはパンツそのものに興味がないんだよ? 根っからのノーパン主義なんだから! パンツなんて、一枚たりとも必要としてないよ。第一、キミのパンツなんて……」上唇をめくりあげてブフッと笑う。アタシ、完全に見下されてる。「かぐやちゃんのかぐわしいパンツならともかく、キミの黄ばんだパンツなんて素手で持つことすら躊躇われるよ」
「だから黄ばんでない……って、何でそこまで言われんとアカンねん。アタシは被害者やで!」
悲しいったらない。こっちは突然パンツを盗まれ、不便やし腹立つし。加えて言い知れぬショックと恥ずかしさに耐えてるのに、みんな好き勝手に言い出した。
以下、容疑者たちの証言だ。まずはワンちゃん。
「あああたしの下着は大丈夫でした。いざという時の為の勝負パンツもまっさらのまま残ってました。はは犯人は何故、リカさんのパンツのみを狙ったんでしょうか?」
ワンちゃん、大胆なことをサラッと言った。
「わわわ若いからでしょうか?」
「ガードの緩い女を狙ったのよ。やりやすそうってね」
お姉、ソレは妹に言うセリフ違うで?
「関西の田舎と違って、ここはトーキョーよ。出かける時はちゃんと鍵をかけなくちゃ」
「鍵はかけたって。関西バカにすんのやめてぇな、お姉。言っとくけどアタシらの実家、ここよりずっと都会やで。知ってるやろ?」
第一、東京を『トーキョー』って言ってる時点で首都圏に対する劣等感丸出しやわ。
お姉はオホホと笑った。アカン。この人はアタシが困ってる様を見て楽しんでるだけや。根っからのSや。関わったらアカン。
【つづく】
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