30.はじめての経験・雨乞い~不毛なことには変わりなし4
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「もっとだ!」かぐやちゃんの号令に桃太郎とオキナは「オーッ!」と吠える。気のせいか、オキナの手元で火花が散ったような?「もっとだ! もっと大きな火を!」
雨を呼べーーーッ! かぐやちゃん、空に向かって声を張り上げた。「地球を乾燥から守るんだ! 雨を呼べーッ!」
「オーッ!」
どうやら雨乞いしてるっぽい。
「ゴメンナサイ」アタシは無理矢理3人の間に割って入った。「アタシがアホでゴメンナサイ。さっぱり意味が分かりません。粉塵爆発と雨乞いと……一体何の繋がりがあるんでしょうか?」
「そんなことより手を動かせ!」
怒鳴られたものだから、アタシもエクササイズに加わる羽目になった。機敏な動きで手を叩きながら、かぐやちゃんのマシンガントークがまた始まる。
「地上で火をガンガン焚くと上空の空気が熱せられる。その後、炎が消えると大気は急激に冷めて水蒸気ができる。つまり、雨雲を作るということだ。雨が降るという理屈だ。もし砂漠で殺人集団に捕らえられてみろ。巧みに雨乞いを行って尊敬を集めて危険を回避するんだ。つまり、神がかり的な神秘性を演出しろということだ。ストップ・温暖化!」
「ハァ……」殺人集団はともかくとして。つまり、雨乞いにも科学的根拠があるということ。理にかなった雨乞いの方法がこれだということ──かぐやちゃんの持論だ。「いや、でもソレ、逆に地球環境に良くないんじゃ? それに素直にバーナーで火ぃ点けてもいいん違う? わざわざ粉塵爆発試みる必要はないやろ?」
かぐやちゃんは聞いてはいなかった。竹林のゴミの山に登り、汗だくになってエクササイズをやっている。そのバックにオキナと桃太郎。おかしなパフォーマンス集団か、さもなきゃただの不審者や。
しかしその直後、信じられないことに真っ黒な雲が空一面を覆い始めた。ほどなくして雨がドバーッと降り始める。
ヘンな雨乞い、成立?
「う……嘘や! こんなん、嘘やっ!」
痛いくらい打ち付ける雨の中、アタシはひたすら混乱していた。かぐやちゃんと桃太郎、オキナの3人は雨に濡れながらもヒシと抱き合って喜んでいた。
「31.ひたすら忠犬のごとく~義兄の不毛な性癖」につづく
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