14.不毛すぎたカラクリ~間に合わなかったバルサン4
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言いながらお姉、袋を奪い取る。
中には大量のバルサンが。
中には大量のバルサンが。
「大家さん? あの、お金……?」
「……ちっ」
お姉が舌打ちした。
お姉が舌打ちした。
「こ、この人、パシらせたうえに金払う気もないの?」
信じられな~い、と若者は呻いている。
……読めてきた。
姉はコイツにバルサン購入を命令してたんや。
だからこの間、スーパーでバルサン大量買いしてたんだ。
コイツもコイツやけど、それはお姉が悪いで。
何でも人にさせようという態度がアカン。
姉はコイツにバルサン購入を命令してたんや。
だからこの間、スーパーでバルサン大量買いしてたんだ。
コイツもコイツやけど、それはお姉が悪いで。
何でも人にさせようという態度がアカン。
「お姉、この人の名前は? まさかここの住人やったとはな」
「あぁ……」
さも鬱陶しそうにお姉、鼻の頭に皺を寄せる。
「名前ねぇ。うんこ、だったかしら」
さも鬱陶しそうにお姉、鼻の頭に皺を寄せる。
「名前ねぇ。うんこ、だったかしら」
うんこうんこと吐き捨てる姉に、赤毛が声を張り上げる。
「うんこなワケないじゃん! アンタ、人の名前何だと思ってるのさ!」
まったく同感や。
そう思ったものの、アタシは2人の間に割って入った。
そう思ったものの、アタシは2人の間に割って入った。
「まぁまぁ、それは置いといて。今日のところはアレですねん。1か月分の家賃を頂戴しに参ったわけで。ヘッヘッヘッ」
できるだけ腰を低く、手を出した。
「キ、キミも何だかいやらしいよね? ボクはうんこじゃないよ。奥菜(オキナ)」
「オキナか。アタシはリカや。年は?」
尋ねるとジロリと睨まれる。
「30になったばかりだけど、それが何か?」
「スゴイ若作りやな、自分。若者違(ちゃ)うやん!」
「ま、まだ若者だよ。何、この失礼な子? それに何のこと? ボク、家賃滞納してない筈だけど?」
「は?」
お姉を見ると軽く肩を竦めてそっぽを向いた。
「確かに家賃は遅れてないけど。いい機会だからこの男、追い出そうと思って」
「な、何言ってんの!」
姉を問い詰めようとしたところに桃太郎が入ってきた。
モジモジしながらアタシとお姉を見比べる。
モジモジしながらアタシとお姉を見比べる。
「メ、メガネ桃太郎っ!」
オキナが顔を輝かせた。
「メガネ桃太郎……? それは余のことか? そちは何者じゃ。名を名乗れい!」
「うわ、何ソレ? 何のネタ? ねぇ、テレビ出たりしてるの?」
「テレビとは喋る鉄の箱のことであるか?」
「いいッ! 日常生活からネタ作り? ね、一緒に写メとってよ」
「そ、それは何じゃ!」
「携帯だってば。それもネタ?」
「おのれっ、小さな化け物めッ!」
……アカン。ややこしくてしょうがない。
「15.不毛闘争2~あらためて桃太郎追い出し作戦・変なキレ方」につづく
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