18.不毛な主義、崩壊~ヘンなアンケート3
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数時間後。
超絶美青年の軍事系マシンガントークからようやく解放され、アタシはヨロヨロとアパートの中に戻って行った。
「か、かなりダメージが……」
フラつきながら廊下を歩いていて遭遇したのは、ズン……と重い空気しょった人物だった。
「うわ、ビックリした。陰気な幽霊かと思った」
フラつきながら廊下を歩いていて遭遇したのは、ズン……と重い空気しょった人物だった。
「うわ、ビックリした。陰気な幽霊かと思った」
オキナだ。
廊下に膝抱えて座り込んでいる。
アタシに気付くと薄ら笑いを浮かべた。
廊下に膝抱えて座り込んでいる。
アタシに気付くと薄ら笑いを浮かべた。
「……幽霊みたいなもんだよ。ボクなんてさ。そうだ、赤毛の幽霊って呼んでよ」
卑屈やなぁ。
「オキナ、アンタな……」
確かに失礼な奴で腹も立てたし、三十歳と聞いてこの格好(ナリ)に引きもしたけど、ほんの僅かな恋心がなかったわけ違(ちゃ)う。
そこは認めよう。
でも──今回の騒動で一気に崩れたわ。
ホンマに崩れたわ。
この男、もうどうでもいいもん。
そこは認めよう。
でも──今回の騒動で一気に崩れたわ。
ホンマに崩れたわ。
この男、もうどうでもいいもん。
「どしたん、こんな所で? 部屋に入らへんの?」
「へ……へへ……」
部屋の中に入ったら窓からかぐやちゃんの住む竹やぶが見えるから、いたたまれない気持ちになるらしい。
「かぐやちゃんにお尻を見られた……お尻を見られ……」
部屋の中に入ったら窓からかぐやちゃんの住む竹やぶが見えるから、いたたまれない気持ちになるらしい。
「かぐやちゃんにお尻を見られた……お尻を見られ……」
尻を、尻を……小さな声でブツブツ言ってる。
「いいやん、別に。男なんやから」
オキナ、じっとりとアタシを睨む。
「デリカシーのない女……」
恥ずかしい姿を晒したということで、かつてないくらいガックリきているらしい。
手には目薬持っている。ボトボトに点眼してる。
「ボク、もうヤバめ……」
恥ずかしい姿を晒したということで、かつてないくらいガックリきているらしい。
手には目薬持っている。ボトボトに点眼してる。
「ボク、もうヤバめ……」
「しっかりしいや」
「あうっ、うっ……うっ……」
オキナ、声を殺して泣き出した。
この男。慰めようもない。
この男。慰めようもない。
かぐやちゃんファンのお姉に対抗してか、自分はかぐやちゃんとデキていると言い張りだしたのだ。
ひどい妄想や。自分では信じ込んでいるらしい。
三者の間に何かあったのか、それとも何一つとしてないのか(それぞれ妄想に生きるタイプやし)、そのへんの経緯はよく知らない。
ひどい妄想や。自分では信じ込んでいるらしい。
三者の間に何かあったのか、それとも何一つとしてないのか(それぞれ妄想に生きるタイプやし)、そのへんの経緯はよく知らない。
かぐやちゃんの美しさが罪なのだと、二人は声を揃えて言う。
どうでもいいわ、とアタシは思う。
この変態ワールドにアタシさえ巻き込まんでくれるなら。
この変態ワールドにアタシさえ巻き込まんでくれるなら。
アタシはお姉の部屋に戻った。
本当は自分の部屋に帰りたいところやけど、桃太郎がいるしなぁ。
アイツ、人の部屋で何であんなに大きな顔してられるんやろ。
謝りにも来ないってどういうこと?
本当は自分の部屋に帰りたいところやけど、桃太郎がいるしなぁ。
アイツ、人の部屋で何であんなに大きな顔してられるんやろ。
謝りにも来ないってどういうこと?
「ただいま、お姉。聞いてきたで」
ドア開ける瞬間、何とも言えない嫌な予感に襲われる。
部屋の中にはお姉とうらしま。
各々、嫌なオーラを発していた。
アタシに気付くとお姉がズンズンやって来る。
信じられないことに、両手にゴのつく昆虫を握り締めていた。
そう、茶黒のテカッとしたアレだ。
部屋の中にはお姉とうらしま。
各々、嫌なオーラを発していた。
アタシに気付くとお姉がズンズンやって来る。
信じられないことに、両手にゴのつく昆虫を握り締めていた。
そう、茶黒のテカッとしたアレだ。
「コイツをノーパン野郎のフトンに入れるわ」
【つづく】
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